##九州北西部の山間部は、道も車もなく、人影さえまばらな原始のような場所だった。

山と山の間に、一軒のわらぶき小屋があった。

干し草小屋の外の空き地にはたくさんの薬草が植えられており、薬の香りがあふれていた。

干し草小屋の中は、ベッドと机があるだけで、本や草紙でいっぱいだった。

この時、ベッドの上には白髪の老人が横たわり、目を固く閉じて穏やかな表情をしていた。

ベッドサイドには、まだ17歳か18歳にしか見えないティーンエイジャーが座っていた。

「リトル・シャア、本当にうらやましいよ、81年も生きていて、安らかに逝けるなんて」。

少し前に亡くなったばかりのベッドの上の老人を見て、方瑜は微笑みながら言った。

「あと何年生きられるかわからない。

ファン・ユーはため息をつき、その目には痛みと無力感が浮かんでいた。